2014年9月28日

三本槍も紅葉まっただなか! ~那須岳登山2日目~

那須岳西側三斗小屋温泉の宿にて満天の星空を見ながら、疲れた体を源泉かけ流しの温泉で癒し、美味しくお酒を飲んで早々に就寝した次の朝・・・

前日の茶臼岳~姥ヶ平歩きの疲れも見せずに、ご一行様25名出発~!






2日目は三斗小屋温泉から隠居倉、清水平経由で三本槍岳に登ったあと、中の大倉尾根を下って北温泉にてバスに拾ってもらう行程です。

まずは三斗小屋温泉の裏手から標高1819mの隠居倉まで、標高差約300mをほぼ直登~!





ここで未練たらしくも三斗小屋宿のことを書きますと・・・

戊辰戦争の時に会津軍(旧幕府軍)と新政府軍とで山岳戦が繰り広げられたという三斗小屋宿は会津中街道の宿場町のひとつです。

会津中街道というのは、このブログの別記事でも書いた下野街道(会津西街道)の代替街道。
天和3年(1683年)の日光大地震によって下野街道が通行不能になったことで、会津藩3代藩主の松平正容によって整備されました。

氏家宿から矢板宿、板室宿を経て那須山中の三斗小屋宿、標高1468mの大峠、松川宿などを経て会津に至ります。

まぁ、ちょっと三斗小屋温泉は街道からは離れているので、今回の行程で歩くことはないのですが、こんな石畳の山道を歩いていると街道もこんな感じだったのかな~、と思いをはせてみたりなんかして・・・





そして、さくさく直登していると、いきなり噴気とともに源泉の湧き出している場所に遭遇したりなど☆

なおもさくさくと登って行くと標高があがるにつれて、またも紅葉が少しずつ行く手に現れてきます。







・・・木々の間から雲海が見える~♪

そしてこの日最初のピーク、隠居倉からの景色。熊笹の葉がお日様に照り輝いて綺麗~!




高所けあって、空気は秋らしく風が涼しいのですが、なんたって陽射しというか紫外線が結構キツイ~!

そして、景色が綺麗だからといって、あちこち見とれて足元おろそかにすると・・・





突然こんな細尾根に出て足元注意!
行く手の右側は噴気が出ていた跡なのか、硫黄っぽい土壌の切り立った崖で、落ちると痛そうです・・・(^^;)





隠居倉からは尾根をずっとたどっていきます。
次のピークは熊見曽根の分岐とその先の名もなき?1900m峰。

熊見曽根で朝日岳への道と三本槍岳への道が分岐するのですが、私たちは帰りの時間もあるので、朝日岳へはよらずにまっすぐ三本槍へ。




うむむ~、視界が開けて遠く下界が見ゆる・・・絶景かな絶景かな☆

熊見曽根から清水平に向けて尾根を降りていく途中には、さりげな~く人が落ちないように石積みがされていましたが、どうにも登り石垣に見えて仕様がないという(笑)





清水平は朝日岳と三本槍岳の間の鞍部にあたるのだと思いますが、めっちゃ広く平らになっていて、木道が通っているので、おそらく湿地帯なのだろうと思われます。

・・・がいったいどこからその湿気というか水がきているのか非常に不思議。。。




ところで、清水平を過ぎたら三本槍岳に上っていくはずなのに、どう見てもどこにも「槍」っぽいとがった形の山が見当たらないんですよね・・・

同行の人たちに聞いたら、この道の先にあるなだらかな山か「三本槍岳」だという!





山頂へは前日の姥ヶ平と同じく、一人通るのがやっとの細い道を、紅葉を掻き分けながら登っていきます。

私はてっきり、「三本槍岳」というからには槍ヶ岳みたいにとがった山が3つ連なっているのかと、勝手な思い込みをしていたのですが・・・(^^;)





那須岳の最高峰である標高1917mの三本槍岳の名前は、昔、会津藩・那須藩・黒羽藩の3藩が領地の境をお互いに確認するために、定期的に集まって槍を立てたという話に由来しているのだそうです。

道理でとんがってなくても「三本槍」なわけだ・・・(笑)




太平洋に流れ込む阿武隈川や那珂川と日本海に流れ込む阿賀川との分水嶺でもある三本槍岳山頂からの絶景をしばらく楽しんだあとは、ひたすら中の大倉尾根を降りていきます。。。

が、このあたりでちょうどお昼タイム~☆

大倉尾根に下り始める手前にちょうど絶景ポイントがあったので、下界の風景を楽しみながら岩に腰掛けてひとやすみ&お弁当♪




眼下に広がるのは那須町方面。
なんか、ひとっとびにふわ~っと飛んでいけそうな気持ちよさ♪






さて、ここから先はしばらく尾根をまーっすぐだらだら降りていきます。

これが案外足にくる!

手元の昭文社の「山と高原地図」には「整備された砂利道」と書いてあって、確かにごろごろ石の上に金網がかぶせてあって石が動かないように固定されてるんだけど、かえってこの金網の上が歩きにくくて、いいんだか悪いんだか・・・(^^;)




疲れたなぁ・・・と思って振り返ると、後にしてきた三本槍岳。
ついさっきまであそこにいたんだよぉぉぉ!!

道はやがて見事なブナ林の中に入っていき、最後に急な山道をつづら折れで降りた谷の底が秘湯・北温泉~!





谷川に面した開放感あふれる露天風呂からは、まっぱのオジサンがこちらに向って「おーい!」と呼びかけてくる・・・なにもそこまで開放しなくても~(*^^*)

私たちも北温泉から駒止の滝の観瀑台まで行って、滝を眺めて少し涼んでから、バスに乗って日帰り温泉「源泉那須山」に寄って、この日1日の汗とホコリをまったり流して帰途についたのでした♪

そして・・・

実は那須岳では電波が届かないので、メールやSNSもチェックできず、宿にTVもなかったので下界に下りるまで全く知らなかったのですが・・・

この登山行の1日目にあたる日に、なんと前の年の同じ時期に同じ山の会のメンバーで行った木曽御嶽山が噴火して大勢の登山者が被害にあったとのこと!


お昼時の噴火、自分たちもお昼を食べた山頂の御嶽山神社付近は壊滅的だとのこと。
今回歩いた茶臼岳も噴煙あがる活火山ですし、本当に人事ではありません。

どうか取り残された方々が一刻も早く救出されますように・・・(>人<)


 ※今回の木曽御嶽山の噴火は、結局戦後最悪の被害となってしまいました。
  なくなられた方々のご冥福をお祈りします。。。



2014年9月27日

ひと足早い紅葉の到来!~那須岳登山1日目~

NHKで紅葉シーズン到来のニュースとすばらしい紅葉の画面が流れた、まさにその翌日!

いつも参加させていただいてる地元の小さな山の会の今年の秋の例会は、そのニュースで画像が流れた那須岳に出かけました~♪

今回は総勢25人で、一泊二日の行程です。

1日目はロープウェイには乗らずにバスで乗り場の先の「峠の茶屋」(1462m)まで行って、そこから峰の茶屋跡避難小屋(1720m)→茶臼岳(1915m)→牛ヶ首(1730m)→姥ヶ平(1594m)→三斗小屋温泉(1480m)で宿泊。

2日目は三斗小屋温泉→隠居倉(1819m)→熊見曽根(1900m)→清水平→三本槍岳(1917m)→中の大倉尾根→北温泉→駒止の滝観瀑台(1130m)でバスに拾ってもらうという・・・

ちょうど朝日岳を中心にぐるりと回りながら、4~500mの高低差を登ったり降りたりというコース☆
地図で見るとこんな感じ。




さて、当日は雲ひとつない、ぴかぴかの秋晴れ!

ところが・・・朝の8時くらいには「もうすぐロープウェイ乗り場」というところまで着いたので、これは早くに登り始められるかな、と思ったら大丸温泉を過ぎたあたりから、道端に違法な路上駐車がぎっしり Orz

おかげで車が行きかうことが出来ず、大渋滞になってしまって身動きが取れません。。。

どうも前日のNHKの放送と快晴の青空のおかげで、何時にも増してロープウェイに観光客が押しかけてしまって、駐車場に入りきれなかった車が路上にあふれだしてしまったようです。

私たちのバスはたまたま中型バスだったので、なんとかそれでもロープウェイ乗り場を通り越すことができましたが、これでは大型バスは乗り場に近づくこともできなかったのでは?

で、結局時間はかかってしまったものの、なんとか峠の茶屋駐車場までたどりつき、ご一行様そろって元気よく出発!




峠の茶屋は標高1462m。もうこの高さで紅葉がお出迎えです。
青空に映えて綺麗~♪

峠の茶屋からちょっと登ったところには那須岳登山指導所があって、山岳会の方々が詰めています。

ここで、登山者カードを提出です。山岳会の方々はここでいろいろと情報を教えてくださるのですが、みなさんボランティアなのだそうです。本当にアタマが下がります。






1時間程度歩いて標高差250m上ると、朝日岳と茶臼岳の間の鞍部にある峰の茶屋跡避難小屋。
まだ1日の始めで元気があるせいか、あまり「登った」という感じもなく到着です。

小屋から茶臼岳まで往復しても1時間程度(のはず)なので、この先の行程のために体力を温存することにして、ここで重たいリュックをデポして貴重品だけの身軽になって、茶臼岳山頂にアタック!





ここからは一気に、こんな階段はほとんどないガレ場の急坂を登っていきます。
ふと振り返ると、先ほどの小屋がちいさく見える(笑)






登りきると旧火口があるので、その縁をぐるりと「お鉢めぐり」して、標高1915m茶臼岳山頂の那須岳神社に到達~!






さすがに頂上からの景色は絶景かな絶景かな・・・♪




茶臼岳は活火山です(という言い方はもうしないみたいですが・・・)。

さすがに旧火口は埋まってしまっていて噴火していないのですが、旧火口外側にはいくつもの噴気孔が活発に噴煙をあげています。






写真の辺りはそんな噴気孔のひとつの「無限地獄」です。

風にのって「腐ったタマゴ」のような硫化水素のニオイがぷんぷん。ゴーっと噴煙の噴き出す音がよく聞こえて、ちょっと怖いです。






そそくさと通り過ぎると、広く視界が開けた尾根に出て、そこが「牛ヶ首」。
ここから見る茶臼岳の形が牛の首のように見えるのが名前の由来だそうです。

そして、この牛ヶ首の下方に広がるのが紅葉の名所、姥ヶ平です!




ここからは、一人通るのがやっとの細い道を標高差150mほど一気に下って行くのですが、その道の両側が紅葉、紅葉、紅葉・・・





まるで紅葉の中に埋もれて歩いている感じ。
すごい、シアワセ~!!






そして姥ヶ平から茶臼岳を見上げると・・・




この絶景!あ~、ホントに来てよかった~!!

本当は、肉眼ではこの何倍も何十倍も美しかったんです!なのに、写真ではうまく写せません。
残念!(ToT)


姥ヶ平で思う存分紅葉を楽しんだら、その先はひたすら歩いてこの日の宿泊地の三斗小屋温泉へ。

三斗小屋温泉は康治元年(1142年)に発見されたと伝えられる古い温泉で、江戸時代には那須の山岳信仰の行者や会津中街道を行きかう人々でにぎわっていたそうです。

この温泉からほど近くには、会津中街道の宿場で戊辰戦争の時に会津軍(旧幕府軍)と新政府軍とで山岳戦が繰り広げられたという「三斗小屋宿跡」があるのです!

古道好きなワタシとしては、ホントはそこを探索にいきたかったのですが・・・
今回は団体行動のため涙を呑みました。これまた残念!(><)





そして、現在の三斗小屋温泉は宿が2軒だけの、徒歩でしか行けない鄙びた温泉です。

その代わり、露天風呂は開放感あふれてますし、内風呂は総ヒノキで広くて気持いい!





綺麗な夕日と満天の星空でこの日は終わりました。
9時には消灯。おやすみなさい~で、2日目につづきます・・・